ふたつの指輪
魁人くんのもとへ。





「魁人くん!」



気付いたら、あたしは、ためらいなく飛び込んでた。

あたしの王子様がおずおずと広げた腕の中に。



そんなあたしを、魁人くんは細い腕でぎゅっと抱きしめた。




「瞳衣、オレと来いよ」



「……魁人くん」



無理なのはわかってる。


あたしと魁人くんじゃ、うまくいかないもの。



住んでる世界が違う。


昼と夜。まるで逆だよ。
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