ふたつの指輪
「魁人くん……おかえり。今何時?」

「2時」

「終わるの、結構早いんだね」


あたしは目をこすりながらベッドに起きあがった。




あれからあたしは魁人くんの部屋にふたたび連れて来られて。

お店に出る魁人くんを見送った後、一人で疲れて寝てたんだった。


「今日は2部は上がらせてもらったからな」

「2部って何?」

「ああ、夜1時からはシステムがちょっと変わるんだよ。

そこから4時までが2部」


「……ふぅーん」


あたしはよくわからないままに生返事をした。

あたしの知らない世界。



「今日は二部に入らないで、チーフにやめるって話してた」




……魁人くん、本気なんだ。
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