ふたつの指輪
こんな、そのままの魁人くんの方が、ずっとステキ。



魁人くんがあたしの前でリラックスして素の姿でいてくれることが、あたしはうれしくてたまらなかった。



「くそ、ベッドが狭いな」


魁人くんは悪態をつきながら、ベッドの中で居心地のいい姿勢を探してた。


「ごめん、ベッド狭くて。

このベッドでまさか誰かと一緒に寝ることになるなんて、考えてもなかったからな」

「ううん、いいの。

だって、この方が魁人くんに引っ付けるもん。ほら」


ふざけてぎゅっと魁人くんの体にしがみついたあたしに。


「そうだな。襲うにはちょうどいい」


天使の笑顔がニヤリとした悪魔の笑みに変わって。


魁人くんはあたしの体に手をからみつかせた。
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