ふたつの指輪
プルルルル……


ついに、インターフォンが鳴った。



「残り5分です。お疲れ」

「……はい」



教えられた通りに階段の下までお客さんをお見送りする。





お店の出口の扉をくぐり抜けるとき。


黒い髪の影から黒い切れ長の目があたしをちらりと見た。




鋭く。
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