ふたつの指輪
「……そう、かもしれないな」
低い、ため息混じりの、疲れたつぶやき。
「そんなことで魁人くんの人生をダメにしてしまわないで。
自由に、自分の人生を生きて――」
反抗や恨みも、支配されていることには変わりないから。
(この人を救ってあげたい)
あたしの頬に伸ばされた魁人の白い手に、そっと自分の手を重ねた。
重ねた手に、真新しい指輪がきらりと光った。
大丈夫。
きっとあたしはこの人を救える――
低い、ため息混じりの、疲れたつぶやき。
「そんなことで魁人くんの人生をダメにしてしまわないで。
自由に、自分の人生を生きて――」
反抗や恨みも、支配されていることには変わりないから。
(この人を救ってあげたい)
あたしの頬に伸ばされた魁人の白い手に、そっと自分の手を重ねた。
重ねた手に、真新しい指輪がきらりと光った。
大丈夫。
きっとあたしはこの人を救える――