ふたつの指輪
俺たちは3人で声をあげて笑ってた。



奇妙な3人組。




瞳衣は、俺が襲いかけたあの日のことは、一切口にしなかった。

忘れるわけもないだろうに。


瞳衣の中では、あのときの俺は”瞳衣を止めるためにわざとああした”ってことになってるんだな、なんて思う。

ほっとするような、どこか寂しいような。





――この二人、何だかんだ言って、うまくいってるらしいな。




多分、ほんのちょっとしたタイミングの違いだったんだろうけど。

俺の出る幕は、もはやどこにもなさそうだった。
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