ふたつの指輪
「ごめんな。

オレもう……ダメかも……」


「そんなこと言わないで!

助かるから。しっかり気を持って」


そう言ってる瞳衣も、そんなこと信じてなかったのかもしれない。


「なぁ……瞳衣。

……こんなオレでも……


瞳衣は愛してるって言ってくれる?」


「愛してる、愛してる、愛してる、愛してる、

ねぇ、魁人、愛してるの!

ほんとに愛してるの!」


こわれたプレーヤーのように。


瞳衣はただ「愛してる」を繰り返してた。
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