ふたつの指輪
「ああ、でも下着がねぇな」


下着って……

あっても貸してもらいたくないって。


「しょうがない、ちょっと出るぞ」


尊さんは、またコートを羽織るとさっさと靴を履いた。


いちいち決断の早い人だ。


「おまえも来い」


……あたしも?


「ちょっと待って!」


慌てて、薄っぺらいコート片手にちょこまかついて行く。




100mくらい先にコンビニがあった。

尊さんはさっとカゴを手に取った。



「必要なもの入れろ。

いろいろあんだろ。


くだらん遠慮はするなよ。

入れたらカゴ持ってこい」
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