ふたつの指輪
「そういうんじゃないです!

ただ、負担かけたくないだけ。

……あたしのせいで」


それも本音だったけど。


見知らぬ部屋に一人残されるなんて、やっぱり心細いし。


「おまえ、結構あれこれ気遣う方だな」

「……」

「……まぁ、でも、それもそうだな」


履きかけた靴から長い足を抜く。


「一人にすると、家に帰っちまうかもしれねぇしな」


油断ならない、とでも言いたげな目つきで、あたしをジロっと見た。



――まるで犯罪者みたいな扱いじゃない?これって。



「ベッド使え。

俺はこっちで寝る」


尊さんは突然服をバサバサ脱いで上半身裸になった。

予想通り、ヒーローばりの腹筋や、筋肉のついたがっしりした腕が出現する。
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