ふたつの指輪
(わ……)


思わず赤面したりして。



「何赤くなってんだよ、お前」


あきれたような声がした。



「そんなんで、よくあんなバイトしようとしてたな。

アホか。無謀すぎんだろ。

……おまえにゃ無理だ」


尊さんは、パジャマをさっと羽織ると、ソファにどさっと寝転がった。

上から毛布を掛ける。


「おまえもさっさと寝ろ」



……長身がソファからはみ出してるよ。



「あの……」

「あんだよ」


毛布の中から横目でギロリと睨まれる。
< 47 / 331 >

この作品をシェア

pagetop