ふたつの指輪
「あたしがソファで寝るから、ベッド使ってください」


「……客をソファに寝かせられるか」


意外に礼儀正しかったりする。


「あたし、小さいから、ソファで十分寝られるし」


黒い目があたしをじっと見た。


「……それもそうだな、代われ」


即起きあがる。




あたしがソファに寝ころがると、上からふわりと掛け布団が掛けられた。


「ほんとだ、あんたならすっぽり入るな」


面白そうに言う。


ソファはあたしが足を伸ばしてもまだ全然余裕があった。

むしろ快適。



……どうせチビだもん。



あたしはまたしても、口をとがらせた。
< 48 / 331 >

この作品をシェア

pagetop