ふたつの指輪
「あれ、二階堂だ」なんて言いながら、2人があたしたちの方に歩いてくる。



一人は尊さんよりちょっと上くらいの人。

もう一人はだいぶ年配。


二人とも顔が赤い。


――お酒入ってる?




年配の方の人が、ニヤニヤ笑いながら寄ってきた。


「二階堂、お前、今日早く帰りたいってこういうことだったのか」

「……」

「ずいぶん年下じゃないか。え?

……さすが色男は違うな」

「……」


「おまえ、昨日指名した子も若い子だったな。

延長まで入れてずいぶんお楽しみだったらしいじゃないか……

見かけによらず……」

「ちょっと、その話はまずいっすよ、女の子がいるのに……」


もう一人があわてて割り込んだ。




(――延長?)
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