ふたつの指輪
「昨夜はどこに泊まってたの?」
「あの、あたしの家です」
梨恵さんがとっさに口を挟んだ。
ママは梨恵さんの方は見向きもせず、ちらっと枕元の置き手紙に目を走らせた。
「昨日行ったんでしょ?面接」
「うん」
「バイトでもらったお金、これだけなの?」
「うん」
「今日は?」
「今日は………いっぱいで、入れなかった」
ママは失望したように、ため息をついた。
「全く、何もさせてもダメな子ね」
昔から、未だに言われ続けてる文句が繰り返される。
「その店でちょっとしか入れないなら、他の店に行くとか、何か方法あるでしょう?
ちょっとは頭を使いなさいよ」
(自分だって、仕事してないくせに……)
喉まで出かかった言葉を、何とか引っ込める。
ママを責めてもしかたない。
「あの、あたしの家です」
梨恵さんがとっさに口を挟んだ。
ママは梨恵さんの方は見向きもせず、ちらっと枕元の置き手紙に目を走らせた。
「昨日行ったんでしょ?面接」
「うん」
「バイトでもらったお金、これだけなの?」
「うん」
「今日は?」
「今日は………いっぱいで、入れなかった」
ママは失望したように、ため息をついた。
「全く、何もさせてもダメな子ね」
昔から、未だに言われ続けてる文句が繰り返される。
「その店でちょっとしか入れないなら、他の店に行くとか、何か方法あるでしょう?
ちょっとは頭を使いなさいよ」
(自分だって、仕事してないくせに……)
喉まで出かかった言葉を、何とか引っ込める。
ママを責めてもしかたない。