ふたつの指輪
ビール缶に口をつけたまま、尊さんはつぶやいた。


「どこかに賃貸を借りるにしても、まだ18だから親の許可なしには難しいだろ。

それに保証人やら何やら、要るしな。


彼氏――魁人っていったっけ?

そいつん家に転がり込むのが一番いいんだろうけど、実家じゃあな……」


「……」



また勝手に話進めてる。



「まぁその辺は、そいつが帰ってきてから相談すればいい。

そいつが外に部屋借りて一緒に住むっていう手もあるけど……大学生か?」

「うん」


「……そ、か……」


それきり、ビールの缶片手に黙り込んでしまった。



って、魁人くんの家に転がり込むって……


一緒に住むって……



シュボッ


想像しただけで、あたしの脳は沸騰した。
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