ふたつの指輪
今さらながらふと気付く。
あたしもあんまり話してないけど、あたしも魁人くんのこと、実はあんまり知らないかも。
いつもあたしばっかりしゃべってる気がするし。
あたしのことを聞いたり、褒めちぎったりするだけで、自分のことは全然話してくれないから。
――まあ、男の人ってそんなものかもしれないけどね。
「ところでさ、梨恵さんって、尊さんの彼女さんなの?」
ついついこっちも反撃に出てしまった。
「……ああ」
眉を軽く上げると、黒い目でビールの缶を見つめたまま、尊さんはうわの空でうなずいた。
ああ、やっぱりそうだよね……
助手席に座ってるあたしを見たときのあの目つき。
……やっぱり、あたしここにはいない方が……
あたしもあんまり話してないけど、あたしも魁人くんのこと、実はあんまり知らないかも。
いつもあたしばっかりしゃべってる気がするし。
あたしのことを聞いたり、褒めちぎったりするだけで、自分のことは全然話してくれないから。
――まあ、男の人ってそんなものかもしれないけどね。
「ところでさ、梨恵さんって、尊さんの彼女さんなの?」
ついついこっちも反撃に出てしまった。
「……ああ」
眉を軽く上げると、黒い目でビールの缶を見つめたまま、尊さんはうわの空でうなずいた。
ああ、やっぱりそうだよね……
助手席に座ってるあたしを見たときのあの目つき。
……やっぱり、あたしここにはいない方が……