私の夢と、彼の事情
咲も、私の行動に何かを感じたのか
キョロキョロ不安げに周りを見回したが、
そんな咲を気にしている余裕は私には
なかった。

恐怖で、声すらでない。

金縛りにあったかのように、動けないで
いると、青い服を着た幽霊らしき人が、
急に指をパチンと鳴らすのが聞こえた。

その音が更に恐怖を増幅させた瞬間、
私の右手がずしんと重くなる。

咲が倒れたのだと私の頭が認識するまで、
大分時間がかかった。

そのせいで私は咲の体を支えきれず、
一緒に地面へと吸い込まれていった。
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