私の夢と、彼の事情
「俺の人間の体は今も京都に保管されて
 いるらしいけど、よく分からないな。

 代わりに俺は、猫に化ける力を与えて
 もらえたので、ここにいないときは
 灰色の猫になってうろついているん
 だよ」

「じゃあ・・私のお父さんは・・?」

「ああ、兄さんはね、ちょうどそのとき
 大学で獣医になる勉強してたから、

 そういう猫に利益になる才能を潰す
 ことはないということになったらしく
 て、勘弁してもらったのさ」

そんな・・じゃあ、お母さんは・・?
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