私の夢と、彼の事情
「君のお母さんは、ふつうの人間だよ。
 だから君は猫といっても、正確に言う
 とハーフなんだよ。

 「ニャー・ハーフ」? ぷぷ」

幽霊はひとりで言ってひとりで笑った。
しかし私は笑うどころではない。

憮然とした顔をしているであろう私を
見て、私の叔父だと主張するこの美少年
は話を続ける。

「ごめんごめん。で、君は5歳までは
 別に何事もなく放っておかれたんだけ
 ど、やっぱり、猫に異常に好かれてね。

 これはまずいぞってことで、ネコ界の
 奴らが君に魔術をかけて、猫に避けら
 れるようにしてしまったんだよ。

 君のそれまでの猫に好かれた記憶も
 消してね」


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