私の夢と、彼の事情
「嬉しかったよ。

 君に会えて。

 親戚と会うのは、すごく久しぶりだっ
 たから」


彼はそう言うと、私の頬を親指で数回
撫でた後、私から離れた。


「久しぶりって・・・。

 私のお父さんやお母さんとは、会って
 ないの?」

「会ってないよ。

 それに、君のお母さんは、僕の存在
 すら知らないはずだよ」



彼の顔が、悲しそうに歪む。

この幽霊との付き合いはあまり長くは
ないけれど、初めて見る表情だった。
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