恋の魔法。

帰り道。


「そういやあたしらって、なんであんなに仲良くなったんだっけ?」

ふと思った。

だってアノ頃のあたしは男子に全くキョーミがなくて、女子以外近寄りすらしなかった子なのに。

「んー?・・・何だっけ」


やっぱりか・・。

あたしが忘れてることはコイツも忘れてるわな。


「あ、そうそう」

「ん?」

「俺らがかけっこしてるときにさ。俺は1位でゴールして、トトロは2位を走ってたんだけどゴール寸前で思いっきりこけて、すっげ号泣したのを見て俺はあわてて保健室に連れて行ったのが最初の出会いだったよーな・・」

「ほぇ。そーだったっけ」

「でさ、そん時のお前の顔。あれは最高におもしろかったな~。思い出すだけで・・・ぶはっ(笑」

「なっ、何よ!泣く時ぐらいおもしろい顔になるわよっ!」


我ながら無理やりな反論だな、と思いつつ。


「は~。やっぱトトロと話すの、おもしろいわ」

隣で微笑みながらのんびりとレンは言う。


「何よソレ~。」


顔が少し熱くなった・・ような気がして、
ごまかしにほっぺをふくらましてみる。


な、なんかあたし・・・。


レンのこと好きになっちゃってる系!?


ちがうよね・・気のせい気のせい。
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