a☆u★c〜全部請け負う部活動!!〜



その数週間後のある日のことだった。

本郷と結城が楡に学校を変えるのだと豪語してから、学校はいきなり平和になった。

どんな手を使ったかは判らない。けれど、今までの荒れ方が嘘のように平和になった。

窓ガラスは直され、奇抜な髪型の生徒は居なくなり、教師の挨拶に笑顔で返事を返す。


「どういう事………?これ」

「……とにかく、楡先生に聞いてみようよ」


本郷が驚いたように目を見張れば、結城が靴を履きながら答える。

二人は真っすぐ、そのまま職員室に向かった。


:…:…:…:…:


「え?」


楡は二人の様子を見て首を傾げた。

いきなり職員室に飛び込んできたと思ったら、楡の襟首を掴み上げてきたのだ。

普通の教師ならば怒鳴り付けているところだが、楡はあまりそういうのは得意ではない。


「いきなり学校が平和になるなんておかしいです!何をしたんですか?」

「そうですよ。学校間違えたかと思っちゃったじゃないですか」

「制服でわかるだろ」

「いや論点そっちじゃないから!」


脱線しかけた会話を結城が軌道修正する。

彼女の立ち位置は本当に損な役回りだ。





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