a☆u★c〜全部請け負う部活動!!〜
人通りが少ないはずのそこに、賑やかな赤い光が点滅していた。
どこか穏やかな表情でパトカーに乗り込む井野坂と吉成は、遥か遠くの、その先を見ているようだった。
楡は芳三と何やら話してから、メンバーの所に戻ってきて、赤く泣き腫らした基の頭を撫でた。
「よく、頑張ったな」
「………う、」
骨張った大きな手に撫でられ、基は言い表わせない安心感と包容感に包まれて、再び目に熱が集まるのを感じた。
そのまま楡にしがみつくと、薄い胸板に顔を押しつけて泣いた。
明衣、五月女、本郷は、何やら珍しいものを見るような目でその光景を見ていた。
雨は、いつの間にか止んでいた。