a☆u★c〜全部請け負う部活動!!〜
その日から、沚は学校に行かなくなった。
学校に行かずに、ふらふらと街を徘徊していた。
当然、昼間から少年が街をうろついているのを見て、眉をしかめる大人がいた。
しかし、沚にとっては至極どうでもいい話で、独自に調べた父や母の身辺をぼんやりと考えていた。
父は、昔の話ではあったが暴力団と繋がりが有ったらしかった。
母は至って平凡なようで、特にトラブルに巻き込まれるような様子は見えなかった。
空からは大粒の雨が降っている。
鉛のような色の空から、雫がとめどなく溢れる。
「……空が……」
空が、泣いてる。
小さく沚は呟いて、空を見上げた。
雨が顔を叩き、うっすらと開かれた瞳にも着地する。
一筋、頬に雨粒が流れた。
──涙、みたい。
その時、不意に誰かに肩を掴まれた。