a☆u★c〜全部請け負う部活動!!〜
父は色々な繋がりを持っていた。
沚は知った。
沚は、そのまま足を自宅に向けて、歩きだした。
流石に雨に体温を奪われ過ぎて、これ以上は風邪を引いてしまう。
誰も居ない、一人きりの家ほど、淋しいものはなかった。
家は、暖かい存在だとばかり思っていたが、今のそれは温度などない。
薄暗い玄関で、水を吸って重くなった靴を脱ぎ、雫を滴らせたままその場に座り込んだ。
『ビショビショじゃないの。ホラ、早く拭いて』
『風邪引くぞ。風呂入ってこい』
傘を差す癖が無かった沚に、優しく声を掛けてくれた両親の言葉が、頭の中に蘇る。