a☆u★c〜全部請け負う部活動!!〜



シャワーの後の温かい食卓、会話の溢れた家族。久しく感じなかったぬくもりに、沚は戸惑いを隠せなかった。

無償で与えられる優しさがくすぐったくて、顔に熱が集まるのがわかる。


「どんどん食べてね。ウチは女の子ばっかりだから、男の子って新鮮!」

「中学生なら成長期だろ? 遠慮しないで食え食え!」


こよりと翔太は嬉しそうに、口々に何かを言いながらおかずを沚の前に持ってくる。

沚はそれを横目に、困ったように小さく笑った。


「あら、笑ったら可愛いじゃん」

「!」


見られていたのか、不意に麻衣が口を開いた。
物珍しいものを見るように、沚に視線が集まった。

沚はバツが悪そうに俯くと、ご飯を掻っ込んだ。






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