a☆u★c〜全部請け負う部活動!!〜
しばらく学校には行かず、卯月さん宅で厄介になっていた。小学校高学年の麻衣、低学年の明衣が家を出ると、仕事に出ていった翔太とこよりに言われた通り、掃除と洗濯をする。
彼らが教師だということは最近知った。市内の小学校・中学校で働いているらしい。明衣から聞いた。
その割に、自分にしつこく学校に行くように言ってこなかった。
それがとても有り難かった。
「……………」
今日は外に出歩いてみようか。
沚は掃除を済ませると、戸締まりを確認して家を出た。
父の職業上、大人の知り合いは多い。適当に市内を徘徊して、誰か友達でも作ろう。
しばらくうろついていると、公園で若いママさんと小さな子供に混ざって、冴えない男がベンチに座っていた。
くたびれたスーツを着て、ぼんやりと視線を投げ付けている。
リストラされたサラリーマンか何かだろうか、まあ良い、昼間に暇なのは自分も同じだ。
沚はてくてくと男に近付いた。