a☆u★c〜全部請け負う部活動!!〜
芳三はそう言いながら、子供が夢を語るときのように、無邪気な微笑みを浮かべた。
「小さい時からずっと、刑事ドラマとかドキュメンタリーとか観てて……単純なんだけど、凄く格好良いなって思って。俺もあんな風になりてぇなぁ、ってさ」
キラキラと輝く瞳は、まるで穢れを知らない子供のようだ。今までこんな目をして話す大人など、沚は見たことが無かった。
「憧れだけが俺を後押しして……試験に受かったときはホント浮かれたよ。友達と飲んで騒いで…」
仕事について話している彼は、本当に輝いていた。全ての事を楽しそうに、嬉しそうに語っている。
「……アンタ、辞めない方が良いですよ」
「……え?」
沚は思わず、彼にそう言っていた。勿論、突然の発言に芳三は目を丸くする。
沚は構わずに続けた。
「仕事の話してるときのアンタ、輝いてる」
「そ、そうかな…」
「うまくいかない事ばかりだって聞いたけど、俺は…アンタに、辞めないで欲しいって思った。好きなんだろ、その仕事が」
沚がボソボソと言うと、芳三は力強く頷いた。それを見て、沚は小さく微笑む。
「なら、それで良いんじゃないの」
「……う、うん!」
芳三は嬉しそうに頷いて、思い付いたように口を開いた。
「あっ、じゃあさ。今度は俺からのお願い」
「…なに」
面倒臭そうに眉を寄せ、沚は芳三を見る。
「君はちゃんと学校行くんだよ!」
沚は目を見開いた。