a☆u★c〜全部請け負う部活動!!〜
明衣は驚きで目を見開く。美帆子が部室に来たことも驚きだが、何よりメールの中に出てくる、目を患った友人の話など、初耳なのだ。
「な、何で……」
「ビックリしたでしょ? 当然だよね、こんな話一回もしたことないし」
悪戯が成功した子供のような表情で、美帆子は笑った。明衣は相変わらず複雑な表情をしている。
「とりあえず座ってよ。立ち話っていうのも変だし……ね?」
その場を落ち着かせようと、五月女が話を切り出した。その手には人数分の湯呑みが乗ったお盆があり、手慣れたものだと明衣は思った。
ソファーに座った美帆子と、そこら辺に適当に腰掛けた部員は、湯呑みを乗せたテーブルを隔てて、少しの間見つめ合っていた。
「……あの」
その状況に、見兼ねたのか本郷が声を発する。
「二人は親友同士でしょ? もう少し砕けた感じで話したら? ほら…確かに依頼人って形だけど、これじゃ話が進まないし」
「そ、そうですね。何かしこまってんだか……」
明衣が苦笑しながら答える。そして、いつもの通り依頼内容をまとめるプリントを取り出した。
「詳しい話聞かせて」
美帆子は頷いた。