a☆u★c〜全部請け負う部活動!!〜
「明衣が知らないのも当たり前なんだ。だって、中学の時に仲良くなった子だし、明衣にも話す機会無くてさ。目を患ってるっていうのは、出会ったときからで…私じゃどうにもならないって思ってたんだけど、やっぱり…」
そこまで一気に喋ると、美帆子は言葉を切り、俯いた。眉毛の辺りで切り揃えられた前髪が揺れ、彼女の目元に影を落とす。
「見えなくなるって聞いて、やっぱり、どうにかしたいって思ったんだ。泣きそうな声で、美帆子の顔、見納めかもしれないって言われたとき、凄く悔しかったんだ。私じゃ何も出来ないのかなって……」
美帆子は顔を上げ、テーブルに両手を付き、頭を下げた。
「無理は承知でお願いしてるけど、私と一緒に手術費用を集めてほしいの!」
「無理じゃないよ」
明衣は素早く切り返した。美帆子はきょとんと顔を上げ、aucメンバーはそんな明衣を見つめる。
「それくらい何とでもしてあげる。aucをナメんなよ」
にっ、と屈託のない表情で笑う明衣に、美帆子は涙を浮かべ、頷いた。そして、小さく「ありがとう」と呟いた。