a☆u★c〜全部請け負う部活動!!〜
そこで、そのまま作戦会議が開かれた。
「いくら必要なの?手術費用って」
本郷が尋ねると、美帆子は「驚かない?」と念を押すように尋ねた。
他のメンバーが大丈夫だと答えると、美帆子は言いずらそうに口を開いた。
「ざっと一千万円…くらいかな……」
「ミリオネアッッ!!」
五月女が奇声を発して倒れる。その隣に居た楡が、「起きろ」と小さく言いながら五月女の頬を摘み上げた。
「そう簡単に、ぽんと出せる金額ではないわね…」
本郷は頭を悩ませた。美帆子は申し訳なさそうに眉をハの字にした。
「募金呼び掛ける?テレビとかでやってんじゃん」
「そんな地道にやってたら失明しちゃうよ。やっぱ一攫千金じゃない?」
起こされた五月女が、明衣の提案にダメ出しをする。明衣はムスッと口を尖らせた。
「テレビのスポンサー付いてるわけでもあるまいし、無理無理……」
五月女がさらなるダメ出しを重ねると、楡が「スポンサー…」と小さく呟いた。
「何か良いのありました?」
本郷がそれを聞き逃さずに反応すると、楡は頭を掻いた。
「赤坂さんと城ヶ島さん…基の中学にも呼び掛けてみるか…」
「だから何?自己完結すんなよ」
苛立ったように言う明衣に、楡は呟くようなボリュームで答えた。
「冬に見る花火も、なかなかだと思わないか?」