a☆u★c〜全部請け負う部活動!!〜
「花火大会!?」
メンバーと美帆子は驚きに声を揃えながら疑問符を浮かべる。楡は「うるさい…」と小さく呟きながら頷いた。
「城ヶ島さん、最近プロデビューして、知名度も上がったろ?地元はもちろん、この前は全国ネットの音楽番組で放送されてたしな」
「なるほど、チケット代が取れるってわけですね!」
五月女がピンと来たのか、明るく話に入る。楡は、それもあるが…と言ってから、美帆子に話をふる。
「チケット代は安くて良い。人が集まればそれで。そして、そこで募金を呼び掛けるのも有りだと思う。ただ、君の友人が許可すればの話だが」
「……え…っ、」
「簡単に費用が集まるとも限らないし、彼女の境遇を周りに知られたくないというのなら断ってくれても構わない」
急に楡に話し掛けられたことで驚いたのか、美帆子は反応を返せず、言葉に詰まった。
それを見た明衣は、楡の頭をスパンと叩いた。
「その子と話付けてね!頼むよ美帆子!」
「え、あ、うん」
美帆子は戸惑いながらも頷いた。