a☆u★c〜全部請け負う部活動!!〜
美帆子は何か協力できることはないかとメンバーに尋ねると、明衣が少し唸ってから、こう口を開いた。
「あー、桃子先輩、吹奏楽とのコラボってどうですかー?」
「あ、うん。良いと思うよ。私、ライブとかでやったことなかったから、是非やってみたい、な」
編曲し直さないといけないね、と笑う桃子は、すっかりミュージシャンの顔をしている。美帆子はこの人はプロなんだ、と実感した。
「じゃあ猛練習ね!色んな勧誘もしなきゃいけないし、最後の依頼は大忙しだわ!」
本郷は早速ギターを取り出して、チューニングを始める。スコアが無いだろう、と言い掛けた明衣だったが、どこから取り出したのか既にテーブルの上には人数分のスコアが置いてあった。
「ちゃっかりしてるよ…」
ずーん、と顔に影を作りながら、明衣は暫くぶりに相棒のギターを手にする。
「安心してよね、美帆子」
「?」
にっ、と不敵に笑うと、明衣はチューニングをしながら美帆子に振り向く。
「絶対、手術費稼いでやるからね!」