a☆u★c〜全部請け負う部活動!!〜
私も行かなきゃ、と美帆子も教室を出て行った。
残された4人は、ひたすら楽器の練習をしていた。五月女は指でベースの弦を弾きながら、
「桃子先輩、何か、曲の吹奏楽アレンジとかあるんですか?」
「あ、うん。ホントは、次のシングルに心音の吹奏楽バージョンを入れようとしてて…楽譜はあったりするんだけど、それはボーカルオフだから、吹奏楽に合わせて歌う練習しなきゃいけないかな…」
だからちょっと編曲の手直ししないと、と桃子は笑う。
「すっかりプロよね、桃子。桃子が載ってる雑誌読んだわよ。“異才の女子高生シンガー”、“突如現れた天才歌手”…センス無い文けど、すごいこと書かれてn」
「ひゃあああ!!何で持ってるの!?だめぇぇ、すっごい恥ずかしいんだから!!」
「何で?可愛く写ってるじゃないの」
「そういう問題じゃなくて……!」
「今や有名人ですよね、桃子先輩」
本郷や五月女が悪戯っぽく言うと、桃子は顔を真っ赤にして狼狽える。
「でもデビュー当初すごかったよね。学校に人集りできてさ、パニックになって」
明衣もそれに加わり、桃子イジリは更に盛り上がっていた。