a☆u★c〜全部請け負う部活動!!〜
吹奏楽部の承諾も無事に得て、合同練習も行い始めた頃。
募金と平行して活動を続けていたaucメンバーの部室のドアが、けたたましい音を立てて開かれた。
ビクッ、と体を強ばらせてそちらに目を向けるメンバーが見たのは、見知らぬ男とその後ろで頭を掻く楡の姿だった。
「え、誰?」
素直に疑問を投げ掛ける明衣に、男は大きな目を見開き、不思議そうに口を開いた。
「へぇ〜っ。楡君ってば、ホントに先生になったんだぁ〜。いんやぁ〜、めんこい生徒さんでないのぉ」
「めん……??」
聞き慣れない単語に首を傾げるメンバー。楡はばつが悪そうにため息をつくと、3人に向き直る。
「前に、冬の花火がどうだって話しただろ?コイツが、色んなトコで1年中花火上げてる空兼晴(そらの かねはる)。変な奴だけど腕は確かだから」
「あんれまぁ。楡君ってば、一言多いよぅ」
どうやら空も、楡の友達100人計画の中で結ばれた友人の一人らしく、かなり親しく話を進めている。
明衣、五月女、本郷は、よろしくお願いします、と頭を下げた。