a☆u★c〜全部請け負う部活動!!〜
ライブ当日。aucのメンバーは、歩行者天国が出来上がっていることに驚き、興奮気味に現場入りをした。
焼き玉蜀黍や大判焼きのたれ幕が下がった屋台を発見し、明衣は白い息を吐きながらはしゃぐ。
「何コレ!屋台とか…頼んだ覚えないよ!?」
「俺が頼んだ。基とか、赤坂さんに声掛けたら歩行者天国出来てたし、屋台も出来てた」
楡がマフラーで口元を覆いながら答える。余程寒いのか、一度肩を竦めた。
「沚さん!」
聞き覚えのある声がメンバーの元に駆け寄ってくる。振り返ると、そこには大きな段ボールを抱えた基が立っていた。
「基くん!」
本郷が名前を呼ぶと、基は照れ臭そうにはにかみながら、段ボールを抱え直した。
「沚さんに声掛けられたから、親戚にも手伝ってもらって、お祭りの屋台引っ張り出してきたんだ。皆協力してくれるって」
「そうなんだ。ありがとね!今日は俺達もライブ出るから、観てってよ!」
五月女がちゃっかりと宣伝すれば、基は笑う。
「屋台から見えればね。良祐さん、間違えそうなんだもん」
「よく知ってんね!そうなんだよ」
「なっ、明衣ちゃんまで!」
ギャーギャーと騒がしいメンバーの横で、ステージのセットが進んでいた。