a☆u★c〜全部請け負う部活動!!〜
その頃、打ち上がる大輪の下、数人の男女の会話が弾んでいた。
その中の一人、派手なパーカーを羽織った金髪の男が、うどんを啜りながら口を開く。
「aucって存在生徒会やってから気付いたけど、何かすげー部活なのな。依頼人の為に花火大会やっちまうなんてさ」
「しかし、こちらが部費を支給していないにも関わらず、このような大規模な行事を開くことが出来るというのはどういう事なのでしょうか。報酬と称して現金を得ているという話も伺いますし…」
髪を二つに分け、ウサギの髪ゴムで結んでいる少女は、淡々とした口調で話し、ピンクのフレームの眼鏡をくい、と上げる。
「何でも良いよ。それより花火飽きた。綿飴食べたい」
やる気の無さそうな声で言ったのは、手に大量の大判焼きやりんご飴などの甘いものを手にした男だった。そんな彼に対し、隣に居た短髪の男から非難が飛ぶ。
「おいおい、お前花より団子を地で行くタイプかよ。今日は部活仕分けの視察に来たんだから、少しは我慢しろって」
「うっざー…」
「んだとテメッ…」
「やめなって!そんなことしてる場合じゃないの!メインは飽く迄視察なんだからね?」
一触即発の雰囲気を、茶髪をショートカットにした活発そうな女子が遮る。まだ睨み合う男二人だったが、うどんを完食した金髪の男が一発パン、と手を叩き、彼らを落ち着かせた。
「む、また喧嘩かぁ?せっかくだから楽しんで帰ろーぜ?」
「だってよ、」と彼は続ける。
「この部活、廃止候補なんだからさ」