a☆u★c〜全部請け負う部活動!!〜






桃子のライブと称した募金活動は、市民一体となって大盛り上がりだった。

屋台に設置していた募金箱は、そんな彼らの善意でいっぱいになり、粗末な作りをしたそれはずっしりとした重さを持っていた。

行事を開催したならば、片付けも完璧に行わなければならない。

aucメンバーはステージの器材を分担して片付け、基を始めとしたスタッフには屋台やゴミの片付けを頼んだ。


「いくらぐらい集まったんだろうね。そこそこ行くと良いんだけど…」

「一千万は厳しいと思うけど、半分は行っててほしいよね」


五月女がアンプを積み込みながら誰にともなく尋ねると、本郷がシールドを束ねながら答える。

五月女は不意打ちのような本郷の答えに、びくりと肩を震わせた。

そして、ぼんやりと呆けてしまう。


「こら五月女!手ェ止まってるよ!」

「あっ、ごめん!」


明衣の怒鳴り声で、五月女は意識を取り戻した。






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