a☆u★c〜全部請け負う部活動!!〜
三人が空のもとに行くと、楡が地面に蝋燭を立てていた。
「……ん?」
地面を見ると、そこには線香花火等の手持ち花火が置いてあり、蝋燭の光でゆらゆらと照らされている。
「え、何これ……」
「…何って…花火?」
ぼけ、っと明衣がぼやくと、炎に手をかざしていた楡が、疑問系で返す。
幸い風も少なく、蝋燭の炎は消えずに済んでいる。
「今日、みんな頑張ってたっしょ?だからご褒美に」
空はにっこり微笑みながら、明衣に花火を一本差し出す。
「あ、ありがと…」
「なんもなんも。さ、第二回花火大会だ」
空は本郷や五月女にも同じく花火を差し出し、火を点けるように促す。
「打ち上げってことで」
本郷が花火に点火する前に、明衣と五月女に目配せした。
「お疲れさまでしたー!」
「「したぁぁ!!」」
小さな花火大会が始まろうとしていた。