a☆u★c〜全部請け負う部活動!!〜




三人が空のもとに行くと、楡が地面に蝋燭を立てていた。


「……ん?」


地面を見ると、そこには線香花火等の手持ち花火が置いてあり、蝋燭の光でゆらゆらと照らされている。


「え、何これ……」

「…何って…花火?」


ぼけ、っと明衣がぼやくと、炎に手をかざしていた楡が、疑問系で返す。

幸い風も少なく、蝋燭の炎は消えずに済んでいる。


「今日、みんな頑張ってたっしょ?だからご褒美に」


空はにっこり微笑みながら、明衣に花火を一本差し出す。


「あ、ありがと…」

「なんもなんも。さ、第二回花火大会だ」


空は本郷や五月女にも同じく花火を差し出し、火を点けるように促す。


「打ち上げってことで」


本郷が花火に点火する前に、明衣と五月女に目配せした。


「お疲れさまでしたー!」

「「したぁぁ!!」」


小さな花火大会が始まろうとしていた。






< 296 / 313 >

この作品をシェア

pagetop