a☆u★c〜全部請け負う部活動!!〜




「あっつ!振り回すなや、バカか!!」

「え?よくやるでしょ」


五月女が両手に花火を持ち、くるくると回りながら明衣に近付いてくる。明衣は危険を察知して叫んだ。

空も笑いながらではあるが、そんな五月女に注意を促す。

本郷が新しい袋を開け、空に話し掛ける。


「冬に花火やるなんて思ってもみなかったですけど、案外良いですね」

「だべだべ?冬の方が空気も綺麗だし、真っ暗になるから花火が映えるんだぁ」

「これ、毎年恒例行事にしたら如何ですか?いずれは観光客も呼べる、名物行事になると思いますけど」

「おぉっ、頭良いなぁ蘭ちゃん」

「アンタら市役所の職員か」


思わず楡が二人の会話にツッコミを入れてしまう。

空は「細(こま)い事気にすんなって」と言いながら、申し訳程度に積もった雪にロケット花火を突き刺していく。


「一気に点火する感じですね!」


五月女が興奮した様子で言うと、空と楡がライターを持ってロケット花火に点火しながら「まぁ定番だよね」と顔を見合わせる。


「あつっ!」

「先生ヘタクソぉ」

「ホントにさぁ、アハハッ」





< 297 / 313 >

この作品をシェア

pagetop