a☆u★c〜全部請け負う部活動!!〜
花火大会のように盛大なものではなかったが、ロケット花火の光はaucメンバーの心に残るものとなった。
そして、その火が小さく消えていくのを見ながら、このメンバーでこうしてはしゃいだり、依頼人の為に一心不乱になって頑張るのは、おそらくこの件で最後だろうと思った。
本郷は、卒業式を残して、もう学校には来なくなる。
就職先はここから少し遠いため、一人暮らしの準備をする必要もあるだろう。
家庭学習期間と呼ばれる、三年生だけに与えられる休業は、こうしたことに使われるのだ。
このメンバーでの、今までの活動の集大成とも呼べる今日は、もう終わりに近付いている。
不意に、明衣の視界が揺らいだ。
目頭が熱くなり、頬に温かい雫が伝う。
「……………」
ぐす、と鼻を啜りながら、乱暴にそれを拭う明衣に、楡が気付いたのか、いつものようにその手を彼女の頭に乗せた。
「……ま、訳わかんねー部活で、よく頑張ったな」
「っ、ふ…」
そんな二人をこそこそと見守っていた本郷・五月女・空は、にやにやしながら顔を見合わせた。