a☆u★c〜全部請け負う部活動!!〜
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学校に行き、教室に入った明衣は、涙の膜を目に張りつけた美帆子に抱きつかれた。
「おぉふっ!?」
「ありがとう、明衣!」
自分よりも背の高い彼女にぎゅうぎゅうと抱き締められ、明衣はくぐもった声を上げる。
美帆子はそんな明衣に気付かず、抱き締めたまま興奮した様子で告げた。
「あのね、明衣たちのおかげで、なるの手術費用が集まったの!だからね、だから、なるの目は治るんだよ!」
「ま、じで……?」
あの短期間で、一千万円が集まったとでも言うのだろうか。
明衣は驚きに言葉を失うが、美帆子の喜びようからして、その話は本当なのだろう。
「今日、部室にお礼に行くね!」
嬉しそうに微笑む彼女に、明衣もいったん落ち着いて、何とかぎこちなく笑った。