a☆u★c〜全部請け負う部活動!!〜
放課後、美帆子と共に部室に入った明衣は、そこに居た本郷の姿に驚いた。
今日から家庭学習期間ではなかったのか、と尋ねる明衣に、本郷はまだ依頼を完遂してないからと答える。
手術費用は集まったのに、まだ何かあるのか……と、明衣は眉を寄せる。
すると、本郷が美帆子の姿を見るなり、手に持っていた封筒を差し出した。
「……これ……」
「開けてみて?」
にっこり微笑む本郷に促され、封筒の中を見た美帆子は、一瞬目を見張り、そして涙を滲ませた。
「…うそ……っ…」
そこに入っていたのは、アメリカ行きの飛行機のチケットだった。
「手術がアメリカって聞いたから…お見舞いにどうかなと思ったの」
「ありがとうございますっ……!何てお礼したら良いんだろう……」
感極まり、本郷の手を握りながら美帆子は涙声で言う。明衣はその様子を見ながら、相変わらずお節介だなぁと苦笑する。
「aucには報酬が必要なんでしょ?私、いくら出せば良いか、わかんないよ……」
こんなことまでしてもらって、と戸惑う美帆子に、明衣は告げた。
「アメリカ行ったら、お土産よろしくね」
「………えっ…」
「aucと、勿論親友のあたしにもね」
「あっ、ずるい明衣ちゃん!」
悪戯っぽく笑った明衣に、美帆子は放心する。五月女もお土産ー!と叫ぶが、本郷に止められていた。
美帆子はそんなメンバーに、とびきりの笑顔を向ける。
「うん!びっくりするくらい良い奴、買ってくるね!」