a☆u★c〜全部請け負う部活動!!〜
やがて、数分の後に美帆子と入れ違いになるように楡が部室に入ってきた。
三人は待ってましたとばかりに彼に顔を向け、明衣がいち早く口を開く。
「どうやって一千万集めたの!?」
「はやっ!」
その素早さに五月女が驚くが、楡は面倒臭そうに溜息を吐き、項の辺りをポリポリと掻いた。
楡は、自身の言葉を待っているメンバーにちらと目をやると、「アレだ、」と何やら曖昧な言い出しで話し始めた。
「空さん、実は世界的に有名な花火師なんだよ。だから、あの人が日本で打ち上げるって知った某テレビ局が全国ネットで放送して、この花火大会の目的も全国に知れることになってさ」
「はっ?」
「全国からスゲェ募金集まったんだよ。一気に百万とか出す人居たりして」
「ひ、ひゃくまんえん……」
「気前良すぎるわね…」
「それで、気付いたら一千万越えてたって訳」
明衣は目を点にして、信じられないとでも言うように言葉を失っている。
五月女と本郷は、後半の金額を聞いて茫然としてしまった。
「ま、何だかんだでお前らの活動が全国の人を動かしたんだ。どんな結果になっても、胸張ると良い」
「楡…」
「先生……」
珍しく穏やかな時間が、部室内で流れる。