a☆u★c〜全部請け負う部活動!!〜
本郷がそろそろ帰ろうかとメンバーに告げようとしたとき、バタン、バタバタ、と何やら騒がしい音がドアの外から聞こえ、思わずそちらに目をやる。
次の瞬間、何の音、と呟く前に、派手な音がしてドアがこちらに倒れこみ、同じようにして人がそのドアに倣って飛び込んできた。
「いったぁぁ…ちょ、基!アンタバカじゃないの!?」
「重ッ、重いっす麗さん…!!」
「女の子に重いって何よアンタ!!マジサイテー!!」
「二人とも落ち着きなさいってば!」
「ドア外れちゃってるよ!?」
まるでドミノのように、下敷きになる基とその上に乗り上げている麗、それを呆れたように見つめる華、外れたドアの心配をしながら眉をハの字にする桃子。
四人は何やら大量の菓子やジュースを持ち込んで、部室にやってきている。
「あのね、蘭ちゃんがここ引退するでしょ?だからお別れ会というか…」
「今までお疲れ会やろうって、皆で来たんだ!」
華が麗を起こしながら言うと、立ち上がった麗が元気良く拳を突き出す。
「何やるかとか考えてないけど、とりあえずお菓子持ってきたんで!」
「良いかな?」
得意げにコンビニの袋をちらつかせる基の隣で、桃子が控えめに尋ねる。
メンバーは、始めこそ驚いて声も出なかったが、ふつふつと嬉しさが込み上げてきて、大きく頷いていたのだった。