a☆u★c〜全部請け負う部活動!!〜





* * * * *




式も終わり、あとは生徒玄関で卒業生を見送るという仕事が、在校生には残っていた。

美帆子は吹奏楽部関係で早々と居なくなってしまったので、仕方なく明衣は五月女と二人で本郷と楡が来るのを待っていた。

本郷は相変わらずの人気者っぷりを発揮し、たくさんの生徒に囲まれて記念撮影やらリボンやボタンをせがまれて苦笑している。

楡は、卒業生に取り囲まれて、同じく記念撮影や、プレゼントまで貰っており、何かと人気者であるようだ。


「俺達も、来年はああやってこう…わいわいできんのかなぁ?」

「さぁねー。想像できないや」


ようやく落ち着いたのか、二人がこちらに向かってきた。


「卒業おめでとうございます、蘭先輩。休みには遊びに来てくださいよ?」


明衣がそう言うと、本郷は頷いた。


「当然。頼まれなくても行くわよ」

「だろうと思った」


そう笑いながら、明衣は楡に目配せをして、その場から少し離れる。

そして、あわて始める五月女をひと睨みし、口の動きだけで「さっさとコクれ」と告げる。


その場に二人きりで残された五月女と本郷は、何も言わずに見つめ合っていた。






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