a☆u★c〜全部請け負う部活動!!〜
「明衣ちゃんと先生、どうしたのかしら?」
不思議そうに呟く本郷に、五月女は決心したように声をかけた。
「せ、先輩!実は俺…話があるんですっ」
「え?」
顔を真っ赤にし、口をぱくぱくと酸欠の金魚のように動かしていたが、やがて五月女は真っすぐに本郷の方を向いた。
「俺がaucに入ったのは……先輩の笑顔を守りたいと思ったからなんです。その……早い話が一目惚れでした」
「良祐…」
「ずっと先輩のことが好きでした!いや、今も好きですっ」
言え、た……
ほぼ叫ぶように思いの丈をぶつけてから、五月女は目を見開く。
なんだ、こんなに簡単なことだったんじゃないか、と少し拍子抜けしてしまった。
「あ、あの…返事とかは良いんです。先輩が人気者なのは知ってたし……だから…」
「ふふっ」
わたわたと言葉を続ける五月女に、本郷はついに笑いだしてしまった。五月女はえぇっ、と言いながら肩を震わせる。
「ねぇ、これ。私から良祐にあげようと思って、皆の断ったのよ」
その言葉と共に手に乗せられたのは、本郷の三年間が詰まっているであろう、制服のリボンだった。