a☆u★c〜全部請け負う部活動!!〜
「……うわわわわΣΣ!!!!隠し子!?それ!!」
ソファーで伸びていた明衣も飛び上がり、楡の背中を指差す。
楡は軽く後ろを向くように首を動かしてから、「ああ」と何か思い出したように呟く。
そして、肩に乗った小さな頭に生えた、細く柔らかい毛髪を撫でた。
「昨日拾った。名前は慶一っていうらしい」
「拾ったΣΣ!?」
「捨て子って事ですか?」
さっきの怠そうな態度は何処へやら、五月女と本郷は興味津々で尋ねる。
楡は「ん」と小さく頷いた。
そして、ポケットから四つ折りにされた紙を取出し、赤ん坊を食い入るように見ていた五月女に手渡した。
「慶一と一緒に入ってた。…多分、母親の字」
「………」
その紙を開くと、いまどきの若者──特に女性に見られる独特の癖のある字で、何やら文章が書かれていた。
明衣と本郷は五月女に近寄り、三人仲良く少し皺の寄ったその紙を覗き込む。