a☆u★c〜全部請け負う部活動!!〜


思い出すように僅かに目を細め、雨が降り続く窓の外を眺めながら、楡は口を開いた。


「拾ったのは此処から15分くらい先のコンビニの裏だ。段ボールに入れられていて、昨日も雨降ってたから、恐らく捨てた母親の仕業だろうな、傘が立て掛けてあった」

「傘が……?」

「ああ。多分、コンビニで買ったんだろうな。安いビニールのヤツだ。
だから幸い濡れてなかったし、ちゃんと保温するためにタオルが巻かれてた。

…段ボールの底には新聞が厚めに敷かれていた」


楡は淡々と、まるで小説の文のような喋り方で、当時の状況を語った。

五月女はフムフムと熱心に頷き、メモを取りながらその話を聞いている。

そこで、楡が五月女の方を眼球だけで見ながら、静かな口調で再び話し始める。


「…その新聞は一週間前から二日前に掛けての物で、この辺りで無料配布されてる地域新聞だ。

この事から考えられることからして、母親は新聞を取ってなくて、しかもこの辺りに住んでるって事だ」


その時、ピクリと五月女の肩が動く。





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