a☆u★c〜全部請け負う部活動!!〜


「多分母親は新聞取れないくらい貧乏だから慶一を捨てたんだろうな。

それから、さっきの問いに答えるついでに、言っとく。

五月女はああ見えて機械に強くてな。

調べ物は全部コイツがやってくれる。

……ハッキングで教師のパソコンのデータ盗んでテストカンニングしようとした時はぶっ飛ばそうと思ったけど」


楡はいつになく饒舌だった。

さっきから窓を気にしているから、雨の日は何となくテンションが上がるのだろうか? 


「教師のパソコンハッキングって……」


明衣は引きながら、パソコンの画面に噛み付くように見入る五月女を一瞥した。

狂ったように画面を見ながら、手元を見ずにタイピングしている。

明衣は、本物だ……と思いながら彼と距離を取った。


「取り敢えず、良祐が調べおわるまで、私達は暇ね」

「あー…そうだな」


本郷は呑気に緑茶を飲んでいる。


明衣に再び、雨の重い空気がのしかかった気がした。





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