a☆u★c〜全部請け負う部活動!!〜
しかし、五月女はすぐに子犬のようにしゅんとなると、ため息のように零した。
「けど、経済的に厳しいかどうかまでは調べ切れてないし、そのリスト一つ一つの家族構成を調べて、慶一って子供がこの一年以内に生まれてないか、調べる必要があるんだよ……」
「そこまでやるのΣΣ!?」
明衣が驚いて尋ねれば、五月女は頷いた。
「そうじゃないとお母さん見つけてあげれないし……それに、早くお母さん見つけてあげたいし」
「……いつに無く真剣ね…」
明衣が呟くように言うと、五月女はサンドイッチをいったん置き、何かを思い出すかのように、ゆっくりと目を細めた。
二人はそんな表情の五月女を初めて見るので、少し硬直してしまう。
「……慶一も、ちゃんと愛されててほしいから……」
五月女の呟きは、二人の耳に届いていた。